御殿から見上げる高さに仕立てられた、細い花弁の嵯峨菊
大覚寺は嵯峨天皇の離宮を起源とする門跡寺院で、旧嵯峨御所とも呼ばれます。ここで栽培されてきた嵯峨菊は、肥後菊、江戸菊と並んで日本三大名菊のひとつに数えられる古典菊です。花弁が糸のように細く長く伸びるのが特徴で、平安期に大沢池の菊ヶ島に自生していた野菊を、天皇が手ずから鑑賞に堪えるものへと仕立てたのが始まりと伝えられています。栽培には独自の作法があり、一鉢につき三本仕立て、高さは約二メートルに揃えられます。これは寝殿造の御殿の中に座して眺めたときにちょうどよい高さになるよう定められたもので、廊下を歩きながら見上げると、意図された通りの姿で花が目に入ります。会期は11月の一か月間で、大沢池や心経宝塔とあわせた紅葉の季節と重なるため、菊と紅葉を一度に楽しめるのもこの時期ならではです。
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